銀色の、雨ふる国
「・・・」
銀色の雨が、ふらなければ・・・
また、珊瑚色の雨がふれば・・・
父さんと母さんはもっと家にいられるし
ぼくだってリルカをしからなくてすむし
リルカだって・・・ローザだって、悲しい顔をしなくても、すむのだろうに。
ぼくは小さく溜息をついて、窓の外、降り続ける銀色の雨をにらんだ。
「誰もオマエのことなんか、待ってなんていないのに・・・」
けれど、その言葉をあざ笑うかのように
銀色の雨は休むことなくふり続け
ぼくらの町を
ぼくらの国を
すこしずつ、すこしずつ、溜息色に染めていった---