銀色の、雨ふる国

「今度、父さんと母さんが帰ってきたら、ティアラの家に遊びに行こう。ローザを連れて。車で送ってもらえれば、安心だから」

スープ用のスプーンを渡しながら、ぼくはリルカに笑いかけた。

先ほどの罪滅ぼしという訳ではないけれど。


実際、今回の雨のふりは長く、正直ぼくでも息がつまりそうな時がある。

リルカがローザを思ってわがままを言いたくなるのも、当然といえた。


「うん!今度は?父さんと母さんは、今度はいつ帰ってくるの?」

「明後日の昼。またリルカに山ほどプレゼントを抱えてくるよ」

「プレゼントより、父さんと母さんに会えるのがうれしい。ティアラに会えるのも!ローザだってロックに会えるの、うれしいわ。ね?ローザ?」

「みゅーあ」


リルカの問いかけを聞くと、大好きなチキンを食べるのやめ、嬉しそうに胸(?)を張り返事をするローザ。

そのローザの態度を見て、嬉しそうに微笑むリルカ。

そしてそのリルカの微笑みに、思わず笑顔がもれるぼく。






< 27 / 94 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop