銀色の、雨ふる国
「今度、父さんと母さんが帰ってきたら、ティアラの家に遊びに行こう。ローザを連れて。車で送ってもらえれば、安心だから」
スープ用のスプーンを渡しながら、ぼくはリルカに笑いかけた。
先ほどの罪滅ぼしという訳ではないけれど。
実際、今回の雨のふりは長く、正直ぼくでも息がつまりそうな時がある。
リルカがローザを思ってわがままを言いたくなるのも、当然といえた。
「うん!今度は?父さんと母さんは、今度はいつ帰ってくるの?」
「明後日の昼。またリルカに山ほどプレゼントを抱えてくるよ」
「プレゼントより、父さんと母さんに会えるのがうれしい。ティアラに会えるのも!ローザだってロックに会えるの、うれしいわ。ね?ローザ?」
「みゅーあ」
リルカの問いかけを聞くと、大好きなチキンを食べるのやめ、嬉しそうに胸(?)を張り返事をするローザ。
そのローザの態度を見て、嬉しそうに微笑むリルカ。
そしてそのリルカの微笑みに、思わず笑顔がもれるぼく。