銀色の、雨ふる国
その日の、夜になっても
銀色の雨は一向にやむ気配を見せず。
それどころか
気の強い風さえも引き連れて、ますます激しく
ぼくらの家の屋根を、森を、地面を
つよく、つよく殴りつけた。
びょうびょうと・・・
まるで家を襲うかのように風は唸り、リルカの部屋の大きな窓をも、ガタガタと容赦なく揺らした。
「兄さん、レント兄さん、起きている?」
「・・・うん、起きてるよ」
「風の音が怖くて・・・今日は、兄さんの部屋で一緒に眠ってもいい?」
コンコンと小さく、声をかけて扉を開けてからノックの音。
ぼくがベッドの毛布を上げると
まるで枇杷の木に遊ぶ小鳥を狙うローザのような素早さで
布団の中へともぐり込むリルカ。