銀色の、雨ふる国
「・・・うん」
うまい返事が見つからず、ぼくはリルカに、返事だけ。
「あんまり雨ふりが続くから、もうお日様のにおい、忘れちゃった」
「うん」
「こんなに雨がふって、空の上ではお水が足りなくなったりしないのかな」
「うん」
「ローザ、今日一緒にお風呂に入ったから・・・イイにおい」
「うん」
銀色の雨の話から、脈絡のない話へ。
だんだん眠くなってきたらしいリルカは、クシクシとローザを撫でながら、その被毛に顔をうずめていく。
「明日は・・・はれるか、な・・・」
「・・・はれると、いいな」
「・・・・・・」
すうすうと、話しながら眠ってしまったリルカとローザの寝息を聞いたところで
ぼくも2人(?)にならって瞼を閉じた。
心に残る不安な気持ちなんかに
負けない、気付かない、ふりをして・・・