銀色の、雨ふる国
すると・・・
その泣き声が、まるで合図だったかのように
「みゅーあ!みゅーあ!」
と、めずらしくローザが、激しく鳴いた。
ぼくの膝から離れ車の窓の縁に前足をかけて、ある一点を見つめている。
「・・・父さん、止めて!!」
ローザの視線の先を目で追うと
見えてきたビリジアンの森の入り口に
ぼくらを見つめる、珊瑚色の瞳が4つ。
2匹の、灰色猫が、銀色の雨に濡れていた。
「灰色猫が!灰色猫がいる!」
「・・・灰色猫が?」
涙を拭いながら、リルカが身体を伸ばし、ぼく側の窓を覗きこんだ。
「ほんとだ・・・2匹いる。父さん!」
けれど・・・