銀色の、雨ふる国
「悪いな・・・いつも、おまえばかりに押し付けて」
「解ってるなら引き返してよ。ローザの仲間も連れていってよ!」
「レント、やめなさい」
ぼくと、父さんの会話に、それまで黙っていた母さんが口をはさんだ。
けれど、一度火がついたぼくの怒りは、母さんにまで飛び火して
「母さんだって父さんと同じだよ!ぼくの気持ちも、リルカの気持ちも解らないくせに!!」
本当は一番聞かせたくはない言葉を、くちびるに乗せてしまった。
なのに、母さんは
怒りはせずに、ただ、静かな口調で
「なら、あなたに父さんの気持ちは解るの?」
と、言って、寂しそうな笑顔を、ぼくに見せた。