銀色の、雨ふる国
「もう・・・もうやだぁ!!どうして?どうして、あのおうちから出て行かなきゃいけないの?ティアラともセシルとも、ローザの仲間とも離れて・・・みんな悲しい顔をして、こんなのやだ・・・やだよぉ・・・」
父さんと母さんの涙を見て、ぼくの隣でリルカがわぁわぁと泣き出した。
「・・・リルカ」
リルカ、リルカ・・・ぼくの可愛いリルカ。
「ごめん・・・」
リルカを、こんな風に泣かせるつもりなんかじゃ、なかったのに。
母さんに、父さんに、あんな悲しい顔、させるつもりじゃなかったのに。
「ごめん・・・ごめんなさい」
気付けば・・・ぼくの頬にも涙が流れ・・・
窓の外、もう遠くなった森を見て、ローザはくたりと、尻尾をたらした。