銀色の、雨ふる国
-2x16/3/20-
そして、さらに5年後---
「兄さん、やっぱり、ベージュピンクよりモーヴピンクの方が良いと思う?」
綺麗にマニキュアの塗られた爪と2本のマニュキュアを見せながら、20歳-ハタチ-になったリルカが時計を気にしている。
「どっちでもいいんじゃないか?」
・・・ピンクはピンクに変わりなし。
なんて、思っていると。
「兄さんには解らないのね。カインなら『リルカの白い肌にはベージュピンクが似合ってるよ』くらい言ってくれるのに・・・」
と、睨まれてしまった。
カインというのはオレと同じ-eden-で働く後輩で
生意気なことに、リルカの婚約者でもある。
2人は半年後に結婚することが決まっていて
今日は-eden-に泊り込みの両親と休みを合わせて、ウェディングドレスを選びに行く計画らしい。