銀色の、雨ふる国
そして、その数分後。
リルカを迎えに来たカインから
オレは奇跡ともいえるような情報を聞くことが出来た。
「レントさん、知らなかったんですか?先週からビリジアンの森周辺で、野生の灰色猫が確認されているの」
ベージュの革張りのソファーで膝をゆるりと組むカインの隣には
いつの間に仲良くなったのかローザがいて、警戒心のカケラもなく、コロリと腹を見せている。
「ローザの仲間が、生き残ったんですね。あの、過酷な環境の中で」
そっとローザの腹に手を置いて、サワサワと、被毛を優しく撫でるカイン。
ローザはその言葉が解るかのように
コロコロと、嬉しそうに喉をならしてみせた。