銀色の、雨ふる国
はずれることがない今日の『天気予定』は
『一日中曇り。午後、サロメ地区のみ、西の空から、にわか雨』
気象コントロールされた雨が上がると、人工の虹が空にはかかる。
その虹のどこを探しても、虹の階段を見つけることは出来ないけれど
雨の日に虹をかける理由がちゃんとあり、その理由はなかなか素敵なものだ。
虹がかかるようになったのは、5年ほど昔。
虹は-エール-と-珊瑚色の雨ふる国-があった場所をつないでいる。
国をなくしたぼくらの為に
-珊瑚色の雨ふる国-があった場所を、せめて忘れないようにとの思いやりから、雨の予定のたびにかけられる、優しい虹。
なかなか-eden-も、粋なことをしてくれる。