銀色の、雨ふる国

「ご機嫌だな、ローザ」

「みゅーあ」


ぼくを見つめるオニキスの瞳には

あの日、くたりと尻尾を降ろした時の、悲しい影はみつからない。


そんな風に

少しずつ、少しずつ

昨日と違う今日に慣れていき


痛みや悲しみを時間と言うガーゼで包み込んで


諦めるのではなく、現状を受け入れる強さと

問題に取り組む勇気を胸に忍ばせて



ぼくらは



あしたの国へと歩いていく。











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