銀色の、雨ふる国
-2x16/9/28-
リルカはカインと結婚し-eden-のaランク都市-メシア-へと嫁いでいった。
リルカのウェディングドレス姿は、それはそれは美しく、可愛らしく
不覚にも、ぼくは父さんよりもリルカよりも先に、誰よりもはやく、いちばんに泣いた。カインめ、リルカを泣かせたら殴ってやる・・・
それにしてもヴァージンロードを花嫁と歩くのは父親だなんて誰が決めたのか?
どうして兄ではダメなのか?
決めたヤツを見つけたら、朝までじっくり討論したいところだ。
-2x16/9/30-
もと-珊瑚色の雨ふる国-だった場所は
-銀色の雨ふる国-と呼ばれるようになった。
生き残った灰色猫やコルツキツネ、羽耳リスの保護活動が始まった。
思っていたよりも衰弱がひどかったり、銀色の雨で角膜をやられてる個体がいるらしい。
あの場所で知恵を働かせ生き延びたとは言え、たかだか10数年で環境に合わせた身体に進化出来る訳ではない。
絶滅する前に-eden-が動いてくれて、本当に良かった。
ぼくの研究している環境浄化システムの試験作動も上手くいき-銀色の雨ふる国-の止まっていた時間は、ゆっくりとではあるけれど、確実に、動き始めた---