蜜色トライアングル ~Winter Blue



『お兄ちゃん』


木葉の前でだけは、ただの兄でいられた。

木葉が向ける信頼と親愛の眼差し。

――――侵すべからざる、聖域。


この聖域を護るためなら……どんな苦労も、悲しみも、苦痛も厭わない。

木葉が幸せになるためなら、この穢れた手にも存在意義があるのかもしれない。

そう思えた。


しかし……。


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