蜜色トライアングル ~Winter Blue
鎖に繋がれて5日目。
木葉は足首の鎖にもだいぶ慣れ、これまで通りに生活していた。
といっても行動範囲が狭まってしまったため、掃除などは前のようにはいかない。
キッチンで炊事をしたり、テレビを見たり、シャワーを浴びたりはできるが玄関の方や窓の方には行けない。
さすがの木葉も鎖は予想外だった。
あの時、なぜ兄はあれほど怒ったのか?
多分自分がここから出たからだとは思うが、それだけであれほど怒るとは思っていなかった。
過保護だからなのか、それとも……。
「お兄ちゃん、まだかなー……」
鎖をつけたのが別の人間だったら発狂するだろうが、兄がつけたと思うと嬉しさすら感じる。
ただの過保護なのか、必要とされているからなのかはわからないが……。
後者であれば、嬉しい。
木葉はテーブルに置かれた雑誌を読みながら、冬青の帰りを待っていた。