蜜色トライアングル ~Winter Blue
思春期を迎えた冬青は、自分が女に反応しないことを知った。
幼い日の白い肉の記憶、すえた肉の匂い……。
――――6歳の時に自分がしたことの、代償。
それは知らずのうちに冬青の心を蝕んでいたらしい。
当然と言えば当然だ。
しかし、ただ一人。
脳裏に想うと体が熱くなる女がいた。
それは、慈しむべき対象。
――――侵すべからざる聖域。
兄として傍にいるためには不要な、けれど引き裂かれそうに切ない感情を、いつの頃からか冬青は持て余すようになっていた。
心の奥底に封をし、絶対に気づかれてはならない――――恋情。
『木葉……』
冬青が自覚したときには……
冬青の体は、木葉以外には反応しないようになっていた。