蜜色トライアングル ~Winter Blue



冬青が言うと、木葉は怪訝そうな顔をした。

しかし冬青の真剣な瞳を見、こくりと頷く。


冬青は木葉の正面に向き直り、肩にそっと手を置いた。


「木葉。……お前の正直な気持ちを、聞かせて欲しい」

「えっ?」

「お前は俺のことを、どう思ってる?」


それは木葉と体を重ねてから、ずっと心の中にあった疑問だった。

しかし自分はこれまで、それに正面から向き合うことを避けていた。

……木葉との今の関係を失いたくなかった。

けれどこのままでは、二人の関係に未来はない。


木葉の黒い瞳が驚いたように冬青を見上げる。

冬青は木葉の肩に手を置いたまま、じっと木葉を見つめた。



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