蜜色トライアングル ~Winter Blue



『お前は俺のことを、どう思ってる?』


木葉は呆然と冬青を見上げていた。

冬青の瞳はこれまでにないほど真剣で、目が離せない。


木葉の胸に、切ない想いが込み上げる。

……どうして兄はこんなことを聞くのか?


でももう、この想いを抱いて兄の傍に居ることに耐えられない。

木葉は意を決し、唇を開きかけた。

その瞬間。


冬青の腕がぐっと木葉を抱き寄せた。

驚き振り仰いだ木葉に、冬青は熱を帯びた瞳で告げる。


「――――俺は、お前を愛してる」


木葉は目を見開いた。

頭が真っ白になり、何も考えられない。

固まった木葉に、冬青は切なく掠れた声で続ける。


「ずっと好きだった。多分初めて会った時から」

「……っ……」

「兄でいたから、お前には何も言わなかった。けれどもう、兄妹じゃない」


< 114 / 137 >

この作品をシェア

pagetop