蜜色トライアングル ~Winter Blue
『お前は俺のことを、どう思ってる?』
木葉は呆然と冬青を見上げていた。
冬青の瞳はこれまでにないほど真剣で、目が離せない。
木葉の胸に、切ない想いが込み上げる。
……どうして兄はこんなことを聞くのか?
でももう、この想いを抱いて兄の傍に居ることに耐えられない。
木葉は意を決し、唇を開きかけた。
その瞬間。
冬青の腕がぐっと木葉を抱き寄せた。
驚き振り仰いだ木葉に、冬青は熱を帯びた瞳で告げる。
「――――俺は、お前を愛してる」
木葉は目を見開いた。
頭が真っ白になり、何も考えられない。
固まった木葉に、冬青は切なく掠れた声で続ける。
「ずっと好きだった。多分初めて会った時から」
「……っ……」
「兄でいたから、お前には何も言わなかった。けれどもう、兄妹じゃない」