蜜色トライアングル ~Winter Blue


冬青の言葉が、瞳が、木葉の心を絡め取っていく。

木葉は呆然と冬青の言葉を聞いていた。


「俺の体はお前にしか反応しない。女を抱いたのもお前が初めてだ」

「……っ……、お兄ちゃん……」

「俺はお前しか要らない。お前の気持ちを聞かせて欲しい」


突然の告白に、木葉は立ち尽くした。

冬青の言葉が頭の中でぐるぐると回る。


ふと、凛花の言葉が脳裏に蘇った。


『あいつね、ずっと前から心に決めてる人がいるのよ』

『それが道ならぬ恋ってやつでさ』


まさか、それって……。


「お……兄ちゃん……」

「……」

「ホントなの? ……それ……」

「俺は嘘は言わない」


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