蜜色トライアングル ~Winter Blue



『あんたの情欲の目を見て落ちない女はいないわ。あんたならどんな女も思いのままよ』


いつか聞いた女の言葉が脳裏をよぎる。

しかし今となっては、木葉こそが――――冬青の全てを支配する女だ。


木葉が願うのならば、望むのならば、自分はどんなことでもできるだろう。


「木葉……」


頬に手を触れると、木葉はふわっと微笑んだ。

まるで夢の中にいるような幸せそうな微笑みに、冬青の目にも自然と笑みが浮かぶ。


木葉のこの笑顔がずっと続くように、全てを賭けて木葉を守る。

冬青は木葉の頬にそっと口づけ、その黒い瞳に誓った……。



<***>
< 124 / 137 >

この作品をシェア

pagetop