蜜色トライアングル ~Winter Blue



「で、あんた、一か月間何してたの?」

「え? ……普通に生活してたよ。ご飯作ったり、片付けしたり。鎖に繋がれてたから掃除はあんまりできなかったけど」


木葉の言葉に凛花はウッと喉を詰まらせた。

ゴホゴホと苦しそうに咳き込んだ後、慌てて水を飲む。


「……あっ、あんた、今……なんて……」

「?」

「くっ、鎖っ!?」


凛花は蒼白な顔で木葉を見る。

しかし木葉はいつもと変わらぬ表情でケーキを食べている。


「……あんた……」

「……?」

「あんた、考え直すなら今のうちよっ! やっぱあいつ、普通じゃないわっ」

「え? 凛花ちゃん……」

「鎖から始まって手錠とかロープとかローソクとか……ああもうっ! あんた、嫌なことはハッキリ嫌って言いなさいよ? どんどんエスカレートするんだからねっ」


凛花の言葉に木葉は首を傾げた。

凛花の言っていることは良くわからない。

が、凛花は真剣な目で木葉を見据えている。


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