蜜色トライアングル ~Winter Blue
いつも一緒に居るのが当たり前だと思っていた。
この生活がいつまでも続くと思っていた。
この幸せな日々は……幻だったのだろうか?
「お兄ちゃんっ……」
溢れる涙がシーツに染みを作る。
木葉は朦朧とした頭でそれを見つめていた。
と、その時。
コンコン、と扉をノックする音がした。
「……?」
ノックの後、しばし沈黙があった。
やがてガチャっと扉が開き、現れたのは……
いつも見慣れた兄の姿だった。
「お兄ちゃんっ!」
冬青はベッドの上に横たわる木葉の姿を確認すると、ベッドの方へとつかつかと歩いてきた。
その怜悧な瞳は木葉の姿を見て一瞬驚いたように見開かれたが、すぐにいつもの冷静な表情に戻った。
その表情に、木葉は心の底から安堵した。