蜜色トライアングル ~Winter Blue
「……苦しいよ、お兄ちゃん……」
「木葉……」
冬青は木葉の髪をさらっと撫でた。
木葉に言ったことは嘘ではない。
そもそも結婚などできる体ではないし、興味もない。
木葉が望むのなら、一生、兄として傍にいてもいい。
それほどに、冬青はこの小さな娘に囚われている。
「……どうすればいいの? ……私……」
木葉は苦しげに身をよじる。
シーツの下の肌は赤く火照り、瞳は潤んでいる。
その瞳に、冬青は魂を吸い取られるような気がした。
「……助けて、お兄ちゃん……っ」
木葉は叫び、冬青にしがみつく。
薬で錯乱しているせいだとわかっていても、その姿態に冬青は自分の理性が吹き飛ぶのを感じた。
――――もう、無理だ。
耐えられない。