蜜色トライアングル ~Winter Blue
数日後。
木葉はカフェで遅めのランチを食べながら、物思いに沈んでいた。
あの後、冬青は何事もなかったかのように木葉に接している。
いつものように仕事をし、食事をし、剣の指導をし……。
兄妹ではないと分かった後も依然と変わらない様子で過ごしている。
兄にとっては、血が繋がっていようがいまいが木葉は妹なのだろう。
でなければ……あの時。
「……っ」
思い出すとカッと顔が赤くなる。
あんなことを、……平然とできるはずがない。
詳しいことはあまり覚えていないが、兄の手が自分を疼きから救ってくれた。
そのことだけは、覚えている。