蜜色トライアングル ~Winter Blue



冬青に群がる、白い肉体。

肉の塊。

すえた匂いを放つそれらを、冬青は指先一つで操る。

……天賦の才能。

誰かがそう言ったが、疎ましい以外の何物でもない。


自らの汚れた手先。

血に濡れた手。

金を握らされ、指以外のものを……例えば銀色に光る刃を、白い肉に突き立てたこともある。

金のためなら、何でもやった。


――――それが、冬青の香港での記憶だった。



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