蜜色トライアングル ~Winter Blue



ふと目を開けると、見覚えのない天井が目に入った。

ここは……。


「気が付いたか」


冬青の声に木葉ははっと顔を上げた。

どうやら自分は寝ていたらしい。


木葉は慌てて周りを見回した。

――――見覚えのない部屋だ。


8畳ほどの広さのフローリングの部屋に、隣の部屋にはキッチンとユニットバス。

部屋の隅には簡易なパイプベッドが置かれ、チェストや小さなテレビはあるがそれ以外の家具は何もない。


「……お兄ちゃん?」


パイプベッドから身を起こし、木葉は傍らの兄を見上げた。

兄はいつもと変わらぬ様子で木葉を見つめている。

スーツを着ていることを考えると、どうやら仕事帰りらしい。

……というか。


「……ここ、どこ?」


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