蜜色トライアングル ~Winter Blue
3.駆け落ち?
<side.凛花>
凛花はいつものカフェで携帯の画面をじっと見つめていた。
昨日、木葉にメールしたのだが返事が来ない。
木葉は律儀な性格で、メールをすればその日のうちに何かしらの返事がある。
寝てしまったのなら朝イチでメールが来るはずだ。
なのに……。
「ヘンねぇ……」
昼を過ぎても木葉から返事が来ない。
何かあったのだろうか?
と思った、その時。
「凛花!」
前方から声がし、はっと顔を上げるとカフェの入口に圭斗の姿があった。
兄のこんな慌てた様子は珍しい。
「今、由弦から連絡があった。木葉が行方不明らしい」
「はぁ!?」
「ついでに言うと、冬青とも連絡がつかないそうだ」
圭斗の言葉に凛花は思わず兄を見上げた。
兄も信じられないといった顔で凛花を見ている。