蜜色トライアングル ~Winter Blue
5.遅すぎる恋
翌日。
木葉はパイプベッドの上でうっすらと目を覚ました。
ふと時計見ると、8時。
「……寝過ごした」
部屋をくるりと見渡すと、玄関近くの場所で横になっている冬青の姿が目に入った。
タオルを下に引き、部屋着で横たわっている。
木葉は慌ててベッドから降り、冬青に駆け寄った。
「お兄ちゃん! 朝だよ、起きて!!」
片膝をついて見下ろした木葉の視線の先で、冬青はすーっと寝息を立てている。
相変わらず美しいその顔に見とれながらも、木葉は冬青の体を揺さぶった。
「起きてっ」
……と、何度か揺らした時。
木葉はぐいと腕を引かれ、冬青の腕の中に引きずり込まれた。
そのまま背を抱きしめられ、そして……。
「……っ!?」
何か柔らかいものが唇に押し付けられる。
視界のすぐ先に迫る怜悧な美貌。
完璧な形の長い睫毛、通った鼻筋……。
しっとりとした、唇……。