蜜色トライアングル ~Winter Blue
「……っ」
冬青は木葉の唇を優しく数回抓んだ後、唇を外して頭を抱き寄せた。
愛おしげに木葉の髪を撫で、そのまま再びスーッと寝息を立て始める。
木葉は自分の目から、ぽろっと涙が落ちるのを感じた。
兄はきっと、自分を好きな人と勘違いしたのだろう。
優しく暖かい口づけ。
この口づけを受ける彼女に、言いようのない嫉妬を覚える。
胸に軋むような痛みが広がる。
それとともに、胸の奥深いところから熱い想いが湧き上がる。
「私……お兄ちゃんのこと……」
――――自覚するには、遅すぎる恋だった。