蜜色トライアングル ~Winter Blue
冬青が仕事に行った後。
木葉は脱力してパイプベッドに凭れ掛かっていた。
あのペンションでもそうだったが、冬青は朝に弱いらしい。
「……」
今朝のことを思い出すと頬が赤くなる。
まさかあんなことになるとは想像もしていなかった。
けれど。
「……っ……」
――――優しい唇。
あの唇を思い出すと、嬉しさの半面、胸が痛くなる。
もう何年も一緒に居た兄なのに、自分の中にこんな感情が生まれるとは思ってもみなかった。
「お兄ちゃん、なのに……」