蜜色トライアングル ~Winter Blue



思えば、あのホテルの夜から何かが少しおかしくなっていたのかもしれない。


いつでも木葉を守ってくれる兄。

木葉のことを考え、行動してくれる兄。


兄、だけれど……自分は……。


「……お兄ちゃん……」


声に出すと胸がいっぱいになる。

木葉は兄が寝ていたタオルを胸に取り、抱きしめた。


木葉の好きな、甘いサンダルウッドの香りがした……。


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