蜜色トライアングル ~Winter Blue



「一つ聞きたいことがある。……あのペンションで、お前は木葉に何をした?」

「?」

「木葉の首元だ。知らないとは言わせない」


圭斗に言われ、冬青はペンションでのことを思い出した。


……あの夜。

冬青は吸い寄せられるように木葉の首元に痕を残してしまった。

しかし翌朝起きた時には木葉はおらず、木葉はいつのまにか首元が隠れるパーカーを身に着けていた。

恐らく圭斗のものだろうとは思ったが、痕に気付いていない様子の木葉に確認するわけにもいかない。


「……」


無言の冬青に、圭斗は畳み掛けるように言う。



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