蜜色トライアングル ~Winter Blue



「木葉。……お前は俺に、どうしてほしい?」

「……っ」

「言え。……お前は俺に、何を望む?」


冬青の声は低く、木葉の耳を打つ。

何かを押し殺すかのようなその声に、木葉は息を飲んだ。


「……お兄ちゃん……」

「言え、木葉」


冬青の声は固く、低い。

木葉は震えながら唇を開いた。


「……傍にいて……」

「……」

「……ずっと、ずっと……私だけの、傍にいて……」


と、木葉が言った瞬間。

木葉が冬青の腰に回していた腕がとかれた。

そのまま引き寄せられ、息も止まらんばかりに抱きしめられる。


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