蜜色トライアングル ~Winter Blue
「木葉……っ」
切羽詰まった声が耳に触れる。
驚いて木葉が顔を上げると、突然唇を塞がれた。
――――しっとりと優しい、冬青の唇。
それが今、木葉の唇を割り、舌を絡ませ、蹂躙してくる。
「……っ、はぁっ……」
息継ぎもまともにできない。
木葉は喘ぎながらうっすらと目を開けた。
目の前に冬青の美しい長い睫毛がある。
その瞳が、ゆっくりと開いた時……木葉は息を飲んだ。
――――この世のものとは思えない、凄艶な瞳。
その瞳が木葉を映した時。
……木葉は、自分の全てが冬青に囚われたことを悟った。