蜜色トライアングル ~Winter Blue
――――自分はこの子に触れてはいけない。
こんな血と穢れに染まった手で、触れてはいけない……。
それはまさに聖域だった。
自分が触れてはならない、聖域。
しかし木葉は固まった冬青にその紅葉のような手を伸ばした。
木葉の手が冬青の手に触れ、顔に触れる。
冬青は木葉の手の暖かさを自らの頬に感じ、どうすることもできず立ち尽くした。
そんな冬青に、木葉はにこりと笑って言った。
『おにいちゃん。わたし、木葉というの。よろしくね』