蜜色トライアングル ~Winter Blue



<side.由弦>



週末の日曜。

由弦はカフェで凛花や圭斗と待ち合わせをしていた。

携帯をいじりながらコーヒーを飲んでいると、やがて二人の姿が現れた。


「こっちだ」


由弦の声に、二人は由弦の座っているテーブルへと歩み寄ってきた。

由弦の向かいに並んで座り、メニューを手に取る。


「おれは紅茶。凛花は?」

「あたしはコーヒー」

「というわけで、紅茶とコーヒーを一つずつよろしく」


近くにいたウェイトレスに手早く注文し、圭斗は由弦に向き直った。

ウェイトレスは美形だらけのテーブルに驚いたようだったが、すぐに一礼してカウンターの方へと駆けていった。


「……で、あれから連絡あった?」


凛花の言葉に、圭斗も由弦も首を振った。


「全く。木葉は相変わらず音信不通」

「携帯も取り上げてるだろうしな。あいつ、そういうところ抜け目なさそうだから」


圭斗は忌々しげに言い、腕を組んだ。

あれから、木葉からも冬青からも連絡はない。


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