Blood Lovers
「痛っ。」





「大丈夫?咲良ちゃん。」






「スミマセン。紙で指切っちゃっただけなんで大丈夫です。」








咲良はそう言ったが血は指を流れて手首まで伝ってきた。それを見た舞香は慌ててハンカチを差し出す。









 「血…」












「ッ……」






一瞬その場が凍りついた。三人とも確かに聞こえた声。それは誰のものなのか…






 「せ、先輩なんですか?こんな悪戯したの…」





「私じゃない。」




「お、俺…知らない…」




狼狽える三人。窓から差し込む月明かりで辺りは明るくなったが自分の影が恐怖心を煽っている。
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