甘い夢、苦い罠

ボソリと呟く女。
俺は軽く笑った。

ほら、まただ。

女と言う奴は、すぐにその場の雰囲気に流される。
その場しのぎでしかないのに、そこに本当の愛があると勘違いし、同調したがる。

本当は何もないのに。
なぜそれに気付かない。

「……どうしたの?」

女が心配そうな顔で見てくる。
どうやら少しボーッとしていたらしい。

俺は首を横に振った。

< 18 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop