甘い夢、苦い罠
そして、呆然と開いている唇に自分の唇を重ねた。
重なる唇。
交わる吐息。
砂糖菓子のように甘く、とろけそうな一時。
しばらくして唇を離す。
少し涙目になっている彼女の顔が目に入った。
「――お前だけを愛している。だから……」
俺は自分の唇を舐め、彼女の耳許で囁いた。
「隠していること全て、俺にさらけ出して……?」
俺にしがみつき、懸命に首を縦に振る女。
これでまた一つ、隠れていた真実が明らかになる。