甘い夢、苦い罠

不意打ちで思わせ振りな事を言われた。
顔が熱くなっていくのが分かる。

認めたくはないが、どうやら私は彼に惚れているようだ。

そんなことを一瞬でも考えてしまった自分が嫌になり、ブンブンと頭を振った。

ふと顔を上げると、目の前に男の顔があった。

穏やかな黒い目。
とても、闇組織のボスだとは思えない。

「さて、キミに問おうか」

男の眼鏡の奥の目が細くなる。

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