歩ける僕と車椅子のキミ
………!?
何だ今のは…
黒崎は自分の胸の異変をおかしく
思いながら、考え込んでいた。
「……ッあの、どこかお悪い
んですか?」
『息子が今日退院で…』
いきなり話かけられて驚いたが、
それでも冷静に答えた。
「そうでしたか、おめでとう
ございます。」
『どうも。』
そして再びの沈黙。
そういえばこの子も3階に
行くのか…
いや、でも小児科だぞ!?
俺と同じで見舞い側なのか?
そうこう考えてる内に3階に
着いた。
「じゃあ、失礼します。」
そう言って彼女は車椅子で
受付の方に去っていった。
―――――……
俺はというと、
…ガラガラガラ
『悠』
「パパ~♪」
病室のドアを開けて声をかけると
悠が抱きついてきた。
『良かったな~
今日で退院だ!!
よく頑張ったな♪』
そう言って、悠を抱きあげた。
「うん。」