歩ける僕と車椅子のキミ
『なんだ、嬉しくないのか~?』
「ッ嬉しいよ!!
けど、もう皆や莉子ちゃんに
会えなくなるんだもん。」
『そうか、寂しくなるな。
でも、皆にはまた会いに来れば
いいさ。』
そう言った瞬間…
下を向いていた悠の顔がバッと
上がった。
「ほんとー!?」
ッフ
単純な奴。
『本当だ。たまに会いに来たら
皆喜ぶんじゃないか~?』
「そうかな!?
喜んでくれるかな!?」
『ああ。』
そう言って微笑んだ。
帰る支度をすませ、看護師さんや
先生に挨拶をしに行く。
――――……
『本当にお世話になりました。
ありがとうございました。』
頭を下げる。
「本当に良かったです。
悠くん、よく頑張ったな。
退院おめでとう♪」
「はいッ
ありがとうございます!!
お世話になりました!!」
悠と挨拶をすませ、エレベーター
に乗った。