歩ける僕と車椅子のキミ
……あと少し、もうすぐ。
でも自販機の前にいる人、
何だか見覚えのある人のような…
…誰?
だんだん近づいてきて…
あの人って、
『黒崎さんッ!?』
不意に声をかけてしまった。
もうこうなったら強行手段だ。
黒崎さんに助けて貰うしかない!!
黒崎さんは私に気づいた見たいで
一瞬驚いた顔をしたが、すぐに
私の様子がおかしいことに気づいた
のか、怪訝な顔をしてこちらを見た。
『久しぶりですね!!待ちました!?
じゃあ行きましょうか!!』
私は原田さんに聞こえるように
わざと大きな声を出した。
そして、黒崎さんの腕を掴んで
車椅子の車輪を速めた。
ごめんなさいッ
黒崎さんッ
「ッえ、おい!!」
『ごめんなさいッ
ストーカーにつけられてるの!!
私に合わせて下さいッ』
黒崎さんにだけ聞こえる声で
事情を説明した。