歩ける僕と車椅子のキミ
俺は何故だか彼女を引き留めて
しまった。
俺は何をしてるんだ……。
いつもなら引き留めたりしない。
「ッあの、本当にごめんなさい。
何かお礼を…」
彼女は困ったように俺を見てきた。
『缶コーヒーで手を打つよ。』
俺はさっき自販機にお金を入れた
ままなのを思い出して、彼女を引き
留めた理由を作った。
―――――……
今とある公園にきている。
俺はベンチに腰かけながら沈黙を
破った。
『コーヒー、サンキューな。』
「いえ、私が巻き込んじゃった
ので…」
俺はずっと疑問に思っていたことを
口にする。
『ストーカーって、心当たり
あんのか?』
彼女は身体をビクッとさせ、
思い出したように震えだした。
『あ、わりぃ。
言いたくないなら別にいい。』