歩ける僕と車椅子のキミ
……ッてあれ!?
息子が退院、子どもは小児科…
小児科3階…
頭の中がグルグルしてきた。
さっきの人、もしかして私と同じ
3階で降りたのかな…
ていうか、今日退院の子
いたっけ…?
ま、あとで聞いてみるか。
そう。
私、相沢莉子が今いるこの場所は
昔からお世話になっている総合病院。
で、今いるこの3階は小児科。
え?何で23歳にもなった私が
いるかって?
それは………
「あら、莉子ちゃんいらっしゃい。
いつもありがとね♪」
『こんにちは♪』
「皆お待ちかねよ♪」
『はーい。』
そう、私はこの小児科では
ちょっとした有名人なのです。
…ガラガラガラ
「ッあ、莉子ちゃんだー♪」
「ほんとだ!!莉子ちゃんやっと来た~」
「はやく遊ぼうよ~。」
『皆こんにちは♪』
私は昔ここの小児科で随分と
お世話になった。
産まれた時から足に障害を持っていて、
ずっと車椅子生活だ。
私が高校にあがる頃には既に
小児科から外科に変わってしまった
けれど、それでもここには通い続けて
いるのだ。
子ども達の遊び相手として。