好きだよ。
数年後




私たちはアメリカで結婚式を挙げた。




母親が私にドレスを着せながら

「綺麗ね。貴方が結婚するなんて思ってなかったけど。何だか小さい時のことから考えてみると早いなって思うわ。人みしりで何かあると私にまとわりついてきた子が、もう花嫁だもんね。びっくりだわ。」



そう言った。



私も「そうだね。早いよね。もうひとり立ちって感じがする…。正直お母さんの元から離れるのは不安だけど、雅翔となら頑張っていける。何でも乗り越えて行けるって思えてるの。お母さんが心配しないように頑張るね。」




そう話していた。




父親が
「できたか?雅翔くんが待ってるぞ。」



そう言って手を差し出した。



私はその手を握って「ありがとう。」とつぶやいた。


父親はかすかに頷いて、一緒に歩き出した。



その先には笑顔の雅翔がいる。



白いタキシード。私を迎えてくれる愛しい人。



父親は私の手を雅翔に託した。


その瞬間は寂しかったけど席に戻る前にポンと背中を押してくれた手の温かさに



頑張らないとという気持ちが湧いてきた。





これから幸せな未来を二人で築いて行こうという気持ちが強くなった。





これからもよろしくね。雅翔。
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