隣の席のオオカミ!【完】
「桐谷さん?」

「あ……」

会長の視線も気になるけど、葉山君のほうが気になった。


「あ、あの。別に盗み聞きとか、そーいうのは……」

「ちょうどがいい」

「は……?」

私が口ごもりながら話すのを制して、会長はほほえみながら言った。


「桐谷は俺と葉山、どっちが好きなんだ?」

「ええっ!?」

「どっちだ?」

どっちだって!

そんな、いきなり……!


私が顔を真っ赤にさせながら困ってると、会長の顔が近づいてきた。


「俺はアンタが気に入ったんだ。俺を好きになれ」

「そ、そんな……」
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