隣の席のオオカミ!【完】
「……っ、今の桐谷さん、すげーかわいい」

唇が離れると、息づかいを乱す葉山君。


「オレも……桐谷さんが好きだ」

葉山君は抱きしめてきた。

無理やりだったけど、優しかった。


「葉山君……っ」

暖かい葉山君のせいなのか、涙が勝手に出てくる。


「な、何で泣いてんだよ!」

葉山君はびっくりして、私の顔を持ち上げて見る。


「だ、だって……。私が告白したら、葉山君、断るから……」

「……ごめんな」

葉山君は切ない顔で、私の頭を撫でる。


葉山君のぬくもりも、手も暖かくて、……何より優しくて。

涙が止まらなくなった……。
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