隣の席のオオカミ!【完】
 × × ×


「……オイ、桐谷さん」

「え……?」

葉山君の声に起こされる。

すると、目を開けると、真っ白な天井が映る。


「泣き疲れて寝ちまったから、オレの家まで連れてきたんだよ」

「え? ……あ。ありがとう……」

そっか。

ここ、葉山君の家なんだ……。


私は起き上がり、周りを見る。


へえ、葉山君らしいっていうか。

白と黒しかない部屋。


「そーいえば、初めてだよな。家に入れんの」

「うん。でも、葉山君らしい部屋だね」

「悪かったな、こんな部屋で」

葉山君が口をとがらせて言うから、おかしくて笑ってしまう。
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