隣の席のオオカミ!【完】
「あれ? ご両親は……?」

「あ? 今日は帰ってくんのが遅ェんだよ」

「そうなんだ」

すぐそばにあった時計を見ると、20時を過ぎていた。


「20時、過ぎてるの!? 帰らなきゃ」

ベッドから退こうとすると、葉山君に腕をつかまれる。


「え……?」

「帰さねェよ」

葉山君は私の腕を握ったまま、私をベッドに寝かせる。

さらに、葉山君が覆い被さる。


「もう電話しといた。『もう遅いので、未央さんはオレが預かります』ってな」

私の頭上で、葉山君はほほえみながら話す。
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