隣の席のオオカミ!【完】
心臓の音がうるさくて、ウザくなってきたとき。

葉山君はやっと、のど仏を動かした。


「ど、どーかな……?」

葉山君の顔色をうかがうため、上目づかいで見つめる。


「……ん、うまい。」

 ……え?

それだけ?

 ……それだけなの!?


「そっ……か」

あまりにもリアクションがうすくて、気持ちが沈んだ。


笑顔を見せてくれなかったってことは、普通においしいってことかぁ……。


「未央も弁当、食えよ」

「うん」

葉山君に言われるまま、お弁当を開ける。
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